interview

2016年8月18日

CA岡田さんの女キャリア道

つまずいても「後悔しない人生」を

IT業界で活躍するあの人の仕事観・人生観から意外な一面を探るこのIT仮面シリーズ、第4回目は、サイバーエージェント・インターネット広告事業本部にて海外展開の責任者を務める、岡田寿代さんにお話をお伺いしました!

岡田さんは、2008年に新卒入社後インターネット広告事業本部で営業に従事した後、2010年に株式会社プーペガールの社長に就任。2012年よりインターネット広告事業本部に戻り、現在はグローバル戦略局・局長として、企業の広告プロモ―ションおける海外展開の責任者を務め、海外クライアントを取引先として世界中を飛び回る日々を送っています。

サイバージェントを代表するキャリアウーマンとしてご活躍する岡田さん、その過去には、パワフルな姿からは想像しえない挫折につまずきながら、一歩ずつ現在のキャリアを積み上げていました。

働く女性必見!仕事もプライベートも後悔しない人生を生きる岡田さんの男前なストーリーに迫ります。

株式会社サイバーエージェンド

インターネット広告事業本部グローバル戦略局・局長

岡田 寿代

2008年サイバーエージェントを新卒入社。インターネット広告事業本部でアカウントプランナーとして従事、翌年マネージャーに昇格。2010年に株式会社プーペガール(2012年解散)の社長に就任。2012年よりインターネット広告事業本部に戻り、現在は広告事業における海外展開の責任者を務め、海外と日本を行き来する日々。

 

任せて育つ・岡田流チームマネジメント術

 

−まずは、岡田さんのお仕事内容をお教えください。

インターネット広告代理事業にて、海外クライアント企業のマーケティングサポートを行っています。アプリからwebサービスまで幅広いサービスを担当し、いわゆる広告出稿からブランディングまで幅広く行っています。
具体例として、Airbnb様の日本での認知向上を目的とし、一夜限り『史上初、東京タワーに泊まろう!夜景も日の出も独り占め!』という企画のコンセプトメイキングから実際のプロモーションまでを担当させていただきました。

−例を聞いただけでもグローバル感溢れます…岡田さんは月どれくらい海外に行くのですか?

立ち上げ時は私含めメンバー2人だったので、アメリカから中国まで飛び回っており、日本には月に5日ほどしかいなかったですが、今は立ち上げから1年半たち、今ではメンバーも20名ほどに増え、各エリアに専任がいるので月に1・2回に減りました。メンバーも国籍様々、いろんな言語が飛び交う異世界空間です(笑)。

−海外人材ということですよね?どうやって採用しているのですか?

メンバーに関しては、私が面接しています。海外人材は市場でも貴重なので、優秀な方を採用するのは一筋縄ではいきません。でも、私は仕事する上で、能力だけではなくチームの一体感と文化を大切にしています。なので、どんな優秀な方もまず日本に来ていただいて、サイバーエージェントの文化や仕事を理解してもらうところから始めています
そのために局内で、グローバル・ミッションステイトメントというものを作っているんですよ。
メンバーが増えていく中で、グローバル局の軸として全員の共通意識を掲げるためにチームで考えました。メンバーには、このステートメントを行動指針にしてほしいと思っています。

 

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グローバル・ミッションステイトメント

 

−グローバル市場の責任者となると、やはり語学は堪能ですか?

英語に関しては、引き続き勉強中ですが、他の言語は全然ダメです。。

−え!?お仕事上で困ったことなどありませんか?

基本的なコミュニケーションに関しては、各地の専任メンバーに任せています。立ち上げ当初は自分がフロントに立ち、通訳をしてもらいながら商談を進めることも多かったのですが、やはり各国の言語で話せる方が会話量も増えますし、今は基本的にはメンバーに任せています。その方がメンバーの経験にもなりますし、結果人材を育てる事になると私は考えています。
また、各国の文化や感じ方が違う中で不安になることもありますが、事前に”絶対に外せない大事なポイント”を擦り合わせ、本番の商談では私は知識的サポート役。基本的にはメンバーを信じて任せるようにしています。


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グローバル戦略局のメンバーたち

 

−人に任せるってなかなか難しいことだと思うのですが、どのような意図があるのですか?

結局「任される」経験があってこそ人は成長すると思ってるからですね。私もこれまでのキャリアの中で、自由にやらせてもらったからこそ仕事にまっすぐ向き合えました。指示ばかりだとつまらないし、指示待ちだけの人間になってしまうじゃないですか。グローバル局は、海外から志を持って日本に集まる優秀な方たちなので、どんどん仕事を任せて自分の幅を広げてほしいんです。

−メンバーへの信頼がないと出来ないことですよね。では、コミュニケーション面ではどういった部分を気をつけていますか?

ラフなコミュニケーションができる環境を心がけ、私自身は “隣のお姉さん”くらいの感覚でコミュニケーションができるように意識しています。つまりいつでも話しかけて良いし、何でも話して良いという存在ですね。「岡田さんに相談しづらい」という空気は絶対に作らず、休日でも海外からでも、気軽に連絡してというスタンスです。

 

つまずいて学んだ仕事観

 

−岡田さんは、誰もが憧れる経歴、かつパワフルでポジティブな内面をお持ちの、まさにキャリアウーマンというイメージですが、これまでで苦しかったことはありますか?

もちろんあります!人生で一番の挫折は3年目で子会社社長として『プーペガール』というファッションSNSのサービスを運営していた時です。
営業からサービスプロデューサーになり、右も左もわからないけれど何かすぐに結果をださなければならないという焦りにかられていました。サービス作りは本来、チーム全員がそのサービスの方向性に共感し、熱狂できなければいいものはできません。ですが、その当時の私は過去のサービスの歴史や思いを理解しようとせず、未来にむけて最短で結果を出す事ばかりにこだわってしまい、今振り返れば自分だけで突っ走ってしまっていました。

−その時は、先ほどおっしゃっていた「任せる」というスタンスではなかったのですか?

「私がどうにかしないと」という気持ちが先走っていました。藁をもすがる思いで、社長や先輩に相談し、アドバイスをもらって実践し、という繰り返しでした。最終的に独断でサービスの整理を決定した際、メンバーからは批判の声もありました。あの時は自分の未熟さを心底感じ、とても悔しかったです…。

−正直、転職なども考えましたか?

もちろん転職を考えるくらい追い詰められていました。しかしせっかくチャンスをもらって失敗して、じゃあさようならっていう人にはなりたくないし、しっかり私を支えてくれた皆さんに恩返しがしたいという気持ちでした。
悩みに悩んでいた時に、現アドテク本部執行役員の内藤から「あした会議でお前のネクストキャリアを自分で提案すればいいじゃん」と言っていただき、実際にあした会議で提案した結果、広告代理事業に戻り新規事業の立ち上げをすることになりました

※あした会議とは、役員がそれぞれチームを編成し、新規事業/社内制度/人事案などのお題に対するアイディアをコンテスト形式で競う合宿のこと。

−自分のキャリアを自分で考え提案する…滅多にできないですことですよね。

あした会議は社長が点数を決める方式なのですが、私の案は10点満点中4点しかなくて。社長に「私の新しい挑戦なのですが、4点なんですか?」と聞いたところ、「うん、4点。」との返答を頂いたんです。私は根っからの負けず嫌いなので、絶対成功してやろうと誓い、久々にブログを更新して、「社長に4点って言われましたけど絶対成功させます」と書きました(笑)。


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−それから現在の成果を出されていて、まさに有言実行!しかし、その過程で上手くいかないことが続いた時、岡田さんはどう考えているのですか?

私は「頑張っている時と評価される時は違う」と考えています。どんなに頑張っていても、成果が出ずモチベーションが下がってしまう時がありますよね。しかしその時期は、成功を掴むための準備期間。頑張り続ければ必ずチャンスがめぐってきます。ですので、努力しても評価されない状況にあまりネガティブにならず、「次のチャンスを掴むための過程だ」と思い、前向きな気持ちでやる気を保っています。

 

キャリアウーマンのプライベート・恋愛は実際どうなの!?

 

−お仕事に100%の情熱を注ぐ岡田さん。プライベートの時間がありますか?

土日はほぼオフの時間ですよ。私はオンオフをしっかりつけて、オフは徹底的に遊ぶようにしています。仕事になるとスイッチが入るのですが、プライベートは結構ゆるっとしています(笑)

−とても意外!オフの日は何をしてらっしゃいますか?

決まったことをするというよりは、友人などと楽しく過ごすのが好きですね。特に休日は社外の方と過ごし、刺激をもらうことが多いです。友人が友人を呼び、その輪が大きくなっていますね。尊敬する友人の友人は素敵な方が多く、話すたびに視野が広がります。

−まさに岡田さんのコミュニケーション力がなす友好関係ですね。ちなみにそこから恋愛に繋がることはないのですか?

それがないんですよね(笑)。というより局立ち上げからの1年程は仕事に集中していたのと、海外出張も多かったので…。最近やっと自分の時間ができはじめました。

−自分の時間はどう使われるのですが?女性が気になる、結婚などの考え方についてぜひ聞きたいです。

結婚は学生の頃から30歳で結婚するって勝手に考えてました(笑)私がサイバーエージェントを選んだ理由も、30歳までに自分の出来る事を増やし、30歳から女性のセカンドキャリアとして自分で起業したい思っていたからですし。
しかし、1度子会社社長を経験して、「私は社長になりたいわけではない。世の中に大きなインパクトを残したいんだ。」ということに気付いたんです。今は、サイバーエージェントにいて大きな勝負を仕掛けるほうが市場を動かす大きなうねりを起こせると思っています。結婚に関してですが、30歳まであと半年くらいあるし「一緒にいて楽しくて、お互いを大切に思い合える人とタイミングが合えば」とくらいに思っています。もしかしたら、突然出会って、電撃結婚する可能性も全然あるじゃないですか(笑)なので結婚は焦らず、ポジティブにとらえるようにしています。

 

女性必見!自分の人生を生きる岡田さんのワークとライフの考え方

 

−キャリアと女性としての生き方の両立に悩む方が多いこの業界。岡田さんはそのバランスをどう捉えてらっしゃいますか?

うーーん…あまり区別して考えていないです。私のテーマは「後悔しない人生」。仕事もプライベートも両方後悔しない人生を送るという1本の軸が決まっていて、「あの時こうしとけばよかった」という言い訳がないようにしています。
だからあまりどちらか一方という考えをそもそも持っていないですね

−では、この両立という課題に悩みを持つ女性群にアドバイスをお願いします!

「自分が絶対譲れないポイントを決めること」かなと。私の場合は「後悔をしない人生」というテーマですが、それぞれ何が大事かなんて違うじゃないですか。そのポイントを1つだけ決めて、それに合うのか合わないのかで全て決めると、シンプルで迷うことが少なくなるんじゃないかなと思います。
特に女性だと選択肢も多く、あれもこれもと考えてから苦しくなるじゃないですか。「仕事も頑張りたいけどプライベートも大事」という考えは、結構切り離してるからバランスがとれなくなってしまう気がするんですよ。私はそれを1つにして、自分の軸に従って優先順位ををつけています。

−目から鱗です。では最後に、寿代さん流・自分の道を生きるための秘訣を教えてください。

「他責にしないこと」と「相手に固執しすぎないこと」ですね。後悔は人のせいにするから起こる。だから私はいつも自分に起こることに責任をもつ「自責思考」を意識しています。なので、仕事ですと後悔することがないよう自分が絶対納得できるまでこだわりきりますし、結婚観ですと互いを思いやり、助け合い、尊重はしつつも、互いが自分の人生を楽しみ、依存しすぎることなくことを大切にしたいなと思っています。

————インタビューここまで

 

岡田さんの一言一句に、 “自分の人生を生きる”という覚悟がありました。

一方でここまでのキャリアやお考えを持つ一方でここまでのキャリアやお考えを持ちながらも「私も1人じゃできないことだらけだよ」と笑う謙虚な岡田さんだからこそ、たくさんのチャンスや人が集まってくるに違いありません。

 

 

取材・文石根 友理恵

グラスタweb編集長。87 年広島生まれ。神戸大学国際文化学部卒業後、IT業界の道へ。2011年サイバーエージェント→2012年ワンオブゼムを経て、2015年より独立。webメディア運営・執筆と日本アジアドラマ共同制作プロデュースという異なる2つの事業に従事するパラレルキャリアを実施中。17年5月に第一子を出産、「仕事と子育てを自分らしく営む」が人生のテーマ。 http://mamawork.life/