“お笑い”を仕事にする芸人ザブングル・松尾さんとバーグハンバーグバーグ社長・シモダさんの業界を超えた絆

IT業界で働いていると、日ごろのインプットや話題・関わる人は同じ業界になりがちですよね。一方で、他業界の情報や常識・働き方には刺激を受けることがたくさん。

今回は、 “お笑い”を全く異なるアプローチで体現しながらお互いを刺激しあっている、株式会社バーグハンバーグ(以下バーグ)代表取締役のシモダさんと、お笑い芸人・ザブングルの松尾さんのお二人に、業界を超えた絆を持つことについてお伺いしました!

 

(右)株式会社バーグハンバーグ 代表取締役  シモダテツヤ
2004年にGMOペパボ株式会社に入社、2006年にサイト「オモコロ」を開設し、2010年に起業。多くのネット著名人を従え、一風変わったプロモーションを実施している。

 (左)ザブングル 松尾陽介
1997年に名古屋吉本総合芸能学院に入学し、1999年にザブルングルを結成。現在はワタナベエンターテイメントに所属し、舞台を始めテレビ・ラジオなど幅広く活躍する。メガネは伊達。

 

 

■ダサすぎる名刺で「あ、この人無理だ」と思ったのがきっかけ

石根今日はIT業界のお笑いを先導するバーグ・シモダさんと、TVでお馴染みのザブングル・松尾さんに、どんなお話をお伺いすることができるのかとても緊張しています…!
では、まずはお二人の交流のきっかけを教えてください。

松尾僕はずっと芸人仲間と飲んでいるのが好きで、数年前までは芸人以外の方とはほとんど話す機会がなかったんですよ。当時は芸人以外の人と話してもあまり面白くないと勝手に思っていて。数十年そうだったんですが、35歳を超えたあたりで、違う業界で活躍する同年代の人たちがかっこいい仕事をこなしているのを目の当たりにして、お笑い以外の話はほとんど解らない自分に知識がなさすぎると痛感しました。そこから、芸人さんに限らず様々な方とお話するようになり、その最中にシモダさんにお会いしました。
でも、シモダさんの第一印象は最悪だったんですよね。

石根え、何故ですか??

シモダ松尾さん、言わなくていいです。その話は言わなくていい恥ずいやつです。

松尾シモダさんとは先輩芸人の紹介で会うことになったのですが、先輩が「こないだこういうIT系の社長と会ったんだけど、面白いから今度一緒に飲もうよ」と言って貰ってきた名刺を見て引いてしまって

石根名刺?どんな名刺ですか?

シモダ言わなくてもいいのに!
えっと・・・今は持ってないんですけど、実は昔キャバ嬢形式の名刺を作っていて。

 

( 当時のキャバ嬢名刺)

松尾あれを見た瞬間に、「あ、この笑いの感じの人は僕ダメだな」と思いました。先輩に「じゃあ今度紹介して下さい」とは言いつつも、最初の印象は「絶対仲良くなれない」という前提でした。

シモダだから最初から偏見が入ってて、しばらく距離を取られてた状態だったんです。ひっそりと僕のこと軽蔑してるっていう。まぁ、気持ちはわかるんですけど。

松尾僕はそれまでIT業界の方とほとんど面識がなかったので、ああ、この業界の人はこういう感じ(キャバ嬢名刺)のノリなんだろうな、と勝手に決めつけていたんですよ。だから、次に会った時にシモダさんから「壁を感じる」と言われて。

石根気づかれたんですね(笑)。

松尾バレたので全部言いました。「ちょっと喋れるようになったし、気も合いそうだから言うけど、会う前にあの名刺見せられたから、こんな奴絶対面白くねえって勝手に思ってた」と。そうしたら「それはそうでしょう。僕もあれ出されたら同じこと思う。」と返ってきて、そこで壁がガラガラと崩れました。

シモダいや、あの名刺は性質上出してもいい人とダメな人がいて。人伝てに渡ったら絶対ダメなやつですね。反省してます。

 

松尾その時、「ああ、意外と話せるかも」って思えるようになって。

シモダそれがキッカケで偏見もなくなって、そこから会う頻度が劇的に増えましたね。一番頻度の高い時は週5くらい。

石根それはもう同僚かカップルじゃないですか(笑)。週5で顔を合わせるのって普通職場の同僚くらいですよね・・・。どうやってそんなに頻繁に会う仲になるのですか?

シモダ僕が思うに、忙しい仕事生活の中で、仲良くなるにはそれなりのコツがあると思うんですよね。もちろん人に会う時はスケジュール決めるとか定期的に会うことはあるのですが、そうすると距離が徐々に遠くなっていくことってあるじゃないですか。でも、出会ってから多少の厚かましさを出しながら、次の日にすぐ電話して2週間の間に3回ほど会うと、もう遠慮なしに声をかけれる仲になりますよね。ポイントはいかに早く遠慮しない関係になれるかだと思ってます。

松尾それでいうと僕は基本断らないんですよ。予定があっても終わったら合流します

シモダ夜中3時すぎに連絡しても来てくれるんですよ。すごいですよね。

松尾夜中に連絡してもう会が終わっている時はしょうがないですよね。でも自分からは断っていないし、本当に行く気もありましたから、次も誘ってもらい易いんですよ。

 

■とにかく懐に食い込む松尾流コミュニケーション

石根お二人がこんなに仲が良いのは、お互い刺激になったり尊敬する部分があるからなのでしょうか?

シモダ松尾さんはびっくりするほど社交的なんですよね。テレビのイメージだとプールで溺れてる人ですが。でも実際はすごい喋るし、自分よりもよほど社交的なんです。そのすさまじい社交性に影響を受けていますね。
例えば松尾さんが飲み屋のカウンターでかわいいと思った女の子がいて、たまたま流れで話すうちにその子に彼氏がいるとわかるとするじゃないですか。普通はそこでがっかりすると思うんですが、松尾さんの場合、「じゃあ今度彼氏も一緒に飲もうよ」ってなって。その後、実際本当に彼氏も交えて飲んだりして丸ごと仲良くなったりしてるんですよね。些細なきっかけから輪を広げてくんですよ。

松尾それくらいは日常ですね。一昨年の年末なんて、先輩芸人の奥様の実家で新年を迎えました。しかも当の先輩芸人は仕事で不在だったので、先輩抜きで奥様と奥様のご両親とそばを食べて初詣に行って。さすがにこれは自分でも食い込みすぎなんじゃないかって思いましたね。

 

シモダ外への社交性が高すぎて「この人絶対結婚できないだろな」と思うんですけど、その分、ルールにとらわれずに誰の懐にも入り込んでいく才能は真似できないものがありますね。
だから、誰に松尾さんを紹介しても抵抗なくすぐ打ち解けることができるから安心できます。「今、お笑いだけじゃなくて外の世界も面白いなって思えるようになってきた」という言葉が最初にあったのも、松尾さんを誘いやすいなって思うサインになってたし。

石根人間少しは苦手なタイプがあるはず、それはとても真似できないです…!
松尾さんはシモダさんにどんな影響を受けているんですか?

松尾パソコンの知識がすごいんです。パソコン買うときにもついてきてもらって、リンゴのやつを選んでもらいました。

シモダそれなら尊敬する人はヨドバシの販売員でもいいじゃないですか。

石根シモダさんはIT業界の”面白い”をいつもリードしている方なのですが、芸人である松尾さんから見るとそのお笑いは率直にどう思いますか?

松尾良い意味で肩の力が抜けていると思います。
僕ら芸人はライブやVTRでネタを仕込む時は、内容をガチガチに固めます。そういう意味では舞台や演劇に近いんですよ。しかし、前に一度バーグが主催のイベントを見た時、正直芸人からすると、「まだ披露するには準備が足らないんじゃない?」ってものを流してるのに、すごい数のお客さんを集めているしウケている。こんなやり方あるんだと勉強になり、もしかしたら僕らが考えすぎなのかもしれない、発想を変えてもいいんじゃないかなと思いましたね。

 

■タクシーでうんこをつけられたことが仕事につながる

石根お二人はお仕事もご一緒することはありますか?

松尾僕がMCを務めるネット番組で、ちょっと変わった人を紹介するコーナーに出演してもらったことがあります。僕はバーグのことはほとんど知らなかったんですが、番組の反響がすごくて、「こんなに知ってる人がいるんだ」と思いましたね。仕事の話から僕らのプライベートな話題まで幅広く話してもらいました。うんこつけられた話とか。

石根うんこ・・・つけられた話・・・?

松尾シモダさんがタクシーの中でうんこ漏らして、僕の膝につけてきたんですよ。

石根どんな状況ですか(笑)。怒らなかったんですか?

松尾いや、キレましたよ。「おかしいだろ!」ってツッコミましたよ。

シモダオナラとおもったらうんこが漏れてたんですよ。タクシーの席で拭くわけにもいかないし、拭き場所に困るじゃないですか。ちょうど横に松尾さんがいたから「拭く場所あったわ」って。おすそ分けの精神ですね。

 

松尾地肌だったらすぐ洗って流せるからね、じゃないよ!
一緒にタクシーに乗っていたバーグ社員の方が、この様子を次の日きっちりレポートにしていました。もう小学生のボケすぎてすごい面白かったです。なんならその同乗してる社員さんに向けて、二人のやり取りを見せてましたよね。

その時のブログはこちら

 

シモダお呼ばれした番組でそんな汚い話していいのかとも思ったんですが、松尾さんならNGギリギリラインで盛り上がげてくれるだろうなという信頼と、怒られるのは僕じゃなくて松尾さんだろうなっていう責任感の無さからそんなことも話せました。

松尾おい!
とはいえ、だからこそ爆弾的な話題も入れ込めたのはよかったです。

シモダ見てくれた人が面白かったと言ってくれるのはもちろん嬉しいのですが、やっぱり芸人である松尾さんから会うたびに「あの収録はよかったよ」と言ってもらえるのが嬉しいですね。

 

 

 

石根バーグのお仕事を松尾さんにご依頼することはありましたか?

シモダ仕事じゃないですけど、LINEスタンプを手伝ったことはありますね。

松尾僕の相方の顔スタンプを出したくて。僕は絵を描くのが得意だったのでスタンプは描けるのですが、それ以外の方法が全くわからなかったんですよ。

シモダ松尾さんは実は絵がめちゃくちゃ上手いんですが、webデータにしたり、LINEスタンプに申請したりする方法を知らなかったんですよね。なのでまずはパソコンを買いに行きました。ペンタブも僕のものを貸してたんですよ。

松尾あの時はバーグの会社にお邪魔して、シモダさんに席をどいてもらって、社長のデスクでずっとペンタブを使わせてもらったんです。でもいつまでも借りれないので、めっちゃ集中して、一言も喋らずなんの愛想も振りまかずに作業してました。

シモダその罪悪感からか、松尾さんがオフィスに来る時、コンビニのちょっといいおにぎりをたくさん買ってきてうちのスタッフに配っていましたよね。

松尾そう、普段は手出さないだろう少し高級なおにぎりで、みなさんに気に入られようと思って。ただ一言も喋らないですけどね。それで無事リリースすることができました。

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シモダ芸人である松尾さんが、普段と違うものに触れてはじめてものをつくる姿は、僕としてはとても興味深くて面白かったです。チンパンジーみたいでした。