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2016年6月7日

社長対談 サイバー×ミクシィ

加速と我慢の時期

本誌『Grand Style』の社長対談シリーズ。今回は、株式会社サイバーエージェント代表取締役社長・藤田さんと、株式会社ミクシィ代表取締役社長・森田さんに、“会社として加速の時期、我慢の時期”、“リーダーのあり方”について語っていただきました。

※この記事は、2015年2月発行『Grand Style』コンテンツを編集したものです。

 

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(左)株式会社サイバーエージェント・代表取締役社長 藤田晋

1998年3月に株式会社サイバーエージェントを設立。2000年に当時最年少の26才で東証マザーズに上場し、2014年9月に東証一部上場。同年12月には『麻雀最強戦2014ファイナル』に初出場で初優勝し、麻雀最強位の称号を獲得。

 

(右)株式会社ミクシィ・代表取締役社長 森田仁基
mixiアプリの立ち上げ、『モンスターストライク』のエグゼクティブプロデューサーなどを経て、2014年6月に代表取締役社長に就任。2011年にはサイバーエージェントとの合弁会社であるグレンジに取締役副社長として出向。趣味はゴルフ。

 

 

監督とプレーヤー、社長の持つ2つの顔

 

森田:今日はよろしくお願いします。

藤田:森田さんが社長に就任された時には、社内も大変湧きましたよ。御社と当社との合弁会社のグレンジに出向されていた関係で、森田さんのことを知る社員はたくさんいますからね。

森田:ありがとうございます。思えば、グレンジに出向したことが僕の転機で、組織についてすごく考えるようになりました。それまでは、マネジメントをするというよりも基本的に全部自分でやりたい性格だったんです。当初も「ミクシィから一人でサイバーに乗り込んで、いろいろやってやる!」という意気込みで出向したんですが、サイバーの組織力や人材育成などのマネジメント部分を間近で見て、すごく勉強になりました。それからミクシィへ戻り、組織作りを強く意識するようになったんです。

藤田:基本的には自分でやった方が楽しいですからね。成功した時に、達成感や充実感を得られるのは、現場にいるプロデューサーや技術者ですから。現場に出ていると、「俺、生きてる」といった血の通った実感を得られる。だけど、それを社長がやりすぎると組織の中で人は育たないし、事業がスケールしていかないですからね。

森田:そうですよね。なので、社長に就任してからは、『モンスターストライク』(以下、モンスト)のエグゼクティブプロデューサーを兼任しつつも組織作りに注力し、人材の適材適所や成果に対してどのように評価をするかなどを整えてきました。

藤田:社長という“監督”と、現場での“プレーヤー”という2つの立場のバランスは難しいですよね。私もアメーバの総合プロデューサーを兼任していますが、今ではほとんどを現場に任せるようにしています。社長である以上、会社を大きくしていくためには、現場で感じるその快感から抜け出せるかどうかは重要です。

 

 

“いつも謙虚に堂々と”リーダーに必要な要素とは

 

藤田:『モンスト』も世界的ヒットを生むなか、会社の調子はいかかでしょう?

森田:たしかに、業績は順調で会社の雰囲気も良いですが、常に危機感はあります。

藤田:森田さんは、いつも本当に威張ってないですよね。『モンスト』をあれだけ当てていたら、もっと偉そうになってもおかしくないのに(笑)。

森田:いやいやいや、ミクシィの一度ドン底を知っているので。

藤田:謙虚にいかなきゃだめだなと。

森田:はい。すごく悔しい思いもしてきたので、もう絶対にああいうことは起こらないように、戒めの気持ちを持っておかないと。

藤田:悪い時を経験している会社は強いですよね。大きなヒットを出しても、意外と冷静に見ていたり。

森田:乗り越えると強くなりますね。

藤田:単純ですけど、業績が良いと組織の状態は良くなりますよね。皆が自信を深めるし、やる気も出る。良い時は何やっても当たるから、攻め手をどんどん打たないといけない。でも、悪い時はその真逆。悪い時には何をしても裏目に出てしまったりするんです。そこで投げやりになったり、開き直ってはダメですが、一発逆転しようとあまり無理しない方がいいですね。そういう時は真面目に粛々と仕事をするのが一番です。

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森田:その通りですね。特に『モンスト』が生まれた時はドン底な時期だったんですけど、ただひたすら耐えて耐えて耐え続けて…。

藤田:その時に森田さんが信じていたものはなんでしたか?

森田ただ自分たちがやってきたことを信じていました。あの時、世の中の流れはリアルの繋がりじゃない方にいっていましたが、僕らはSNSの会社だからこそ、ソーシャルというのをもっと突き詰めて考えていました。リアルな繋がりを少し工夫してお金に変えられる方法はないかと。「とにかく、作りたいものを信じて、変えずにやってこう」と声がけしていましたね。

藤田:やはり、リーダーが大事ですよね。リーダーが確信を持っていたら、皆も安心する。リーダーがダメかもと思っていると、周りも不安になる。業績が悪い時にやらなきゃいけないのは、トップが皆の前に顔を出すことだと思います。少しでも厳しい局面を迎えたら、積極的にオフィスを回ったり、皆を集めて話す。逃げちゃダメですね。

森田:そうですよね。とにかく前を向いてやり続けるしかありませんでした。ただ、言葉でのフォローにも限界があって、やっぱり結果を出さないと意味がないというのも事実で…。辛い時もありましたね。

藤田:そういう意味では、リーダーは孤独ですよね。心の中はどんなに不安でも、見た目では堂々としていなければならない。

森田:藤田さんはいつもリーダーの風貌を保たれていますよね。

藤田:一緒について来てくれる仲間がいるから強くいられますね。アメーバの時も、最後までいけると一緒に信じてくれた仲間がいました。最初は数人でも、そういう想いはだんだんと組織に伝線していきます。

森田:辛かった時期にいなくなってしまった人もいますけど、一方で一緒に信じてやり続けてくれる社員たちがいました。業績が悪いと退職者が目立ちそちらに目を向けがちですが、今一緒に働いてくれている仲間の存在を絶対に忘れてはいけないと思っています。

 

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取材・文グラスタ編集部

グラスタ編集部