シリコンバレーで合宿!働くママの味方!! IT企業のこだわり施策〜チャットワーク・サイバーエージェント・エウレカ〜

一風変わった制度やこだわり施策を取り入れている企業が多いIT業界。今回は、チャットワーク、サイバーエージェント、エウレカのユニークな施策をご紹介します!

■”ITの総本山”でビジネス流儀を会得!チャットワークの『シリコンバレー合宿制度』

『シリコンバレー合宿制度」は、同社のシリコンバレーオフィスにて、グローバルな現場を体験する研修制度。現地での学びを通してシリコンバレーマインドを培い、現地の環境や得た知識を現状の仕事にいかに応用できるかを考えられるプログラムになっています。新規プロジェクト立ち上げのタイミングなど、合宿が必要と判断された部署やチームを中心に、平均して約1週間の行程で行われます。

『シリコンバレー合宿制度』は、どのような効果を生んでいるのでしょうか?ChatWork株式会社・コーポレートサポート本部CLO(Chief Learning Officer)の田口光さんに伺いました。

culture5-1
■シリコンバレーの空気を体感
シリコンバレーは、Apple、Google、Facebookなど、世界の名だたるIT企業の本拠地があることで知られています。各社の風土が育まれた、この〝ITの総本山〟独特の空気、シリコンバレーを取り巻くトレンドや最新技術などを社員自らが体験し、今後の仕事に活かしてもらいたい。本制度は、代表・山本のそんな思いから、2014年4月にスタートしました。

■充実のプログラムが社員の刺激に
合宿は、実務を中心にしつつも、シリコンバレーで学んでいることを大いに実感できるプログラムになっています。内容は、参加社員の業務内容によって多少違いますが、現地のスタートアップ企業との情報交換、プレゼンイベントの観覧、ワークショップへの参加など、日本ではなかなか体験できない有意義なものです。なかでも、現地で活躍する方々から仕事の流儀について直接話を聞ける点は、大きな魅力の1つ。彼らから受けるたくさんの刺激は、業務の知識を広げることだけに留まらず、部署や自分自身の未来を考えるきっかけになっているようです。

culture5-2
(第1回に参加したデザイン部のメンバー。オフは、IT企業のオフィス巡りや観光を楽しんだ。)

■新しいプロジェクトの始動も
また、研修中は、普段ならチャットやビデオ通話でしかやりとりができないシリコンバレーオフィスのスタッフと対面でディスカッションできる、貴重な機会です。プロダクトについて深い話ができることはもちろん、新規プロジェクトをキックオフしたり、さらには、ベースとなる部分を一気に固めることができたりと、業務にも拍車がかかります。アメリカを拠点とする代表の山本と、face to faceで話す機会を持てることもまた、研修の大きな利点になっています。

■世界で戦えるサービスを日本から
参加した社員からは「四六時中、メンバーと行動することで、それぞれのキャリアや部署の将来を話し合うことができた」「街を見たり、人に話を聞いたりすることで、その土地の環境、働き方、考え方を肌で感じることができた」といった声が挙がっています。このように、普段と異なる最先端の環境に身を置くことは、単に視野を広げるだけではなく、グローバルに展開していくサービスを担っているという視座を高める効果も出ています。
日本のベンチャーは、「勤勉」「礼儀正しさ」「責任感」といった日本人の良さと、シリコンバレーの流儀を合わせることで、世界で戦って勝てるサービスを生み出せると思っています。このことを、まずは当社から証明すべく、社員一同いっそう励んでいきたいと思っています。

 

■ママになっても長く働き続けてほしい!サイバーエージェントの女性社員向け『macalonパッケージ』

ママ(mama)が、サイバーエージェント(ca)で長く(long)働き続けられる職場環境の推進を目的に、2014年5月に導入された『macalonパッケージ』。妊活休暇、キッズデイ休暇などに加え、2016年6月には、育休後の仕事復帰を後押しすることを目的に、「認可外保育園補助制度」、ママ社員同士の交流を促す「おちか区ランチ」、ママ社員向けの社内報「ママ報」の取り組みが新たに追加されました。

『macalonパッケージ』は、どのような効果を生み出しているのでしょうか?
株式会社サイバーエージェント・広報シニアマネージェーの上村嗣美さんに伺いました。

culture5-3

■「保育園落ちた」ブログがきっかけに
核家族化の進む現代、子どもの保育園の入所とママの職場復帰は、切っても切れない関係です。今年は「保育園落ちた」ブログが社会現象を起こすなど、待機児童問題は依然として解決しておらず、当事者のママはもちろん、多くのママ社員を擁する当社にとっても他人ごとではありません。当社も過去には、お子さんの預け先が決まらず復帰を見送る社員や退職を余儀なくされる社員が出たことがありました。これらを踏まえ、育休明けの女性社員のスムーズな復職を応援すべく、既に整備されている『macalonパッケージ』に、新たに3つの施策を加えました。

■認可保育園との差額を会社が補助
まず、「認可外保育園補助制度」は、認可保育園に預けられないため、やむを得ず認可外保育園を利用する社員に対し、その差額の全てを会社が補助するものです。実は、企業内保育所の開設も検討したのですが、朝夕の通勤ラッシュに子どもを同伴させることは現実的ではないとの意見が挙がり、この形を採ることに。認可保育園への入園が決まるまでの救済措置ではありますが、導入と同時に複数の申請があり、待機児童問題を改めて身近に感じました。なお、本施策は男性社員の家庭にも適用されますので、社員の配偶者の職場復帰の後押しにもなっています。

■ランチ会やママ向け社内報も
「おちか区ランチ」は、同じ自治体に住むママ社員が4人以上揃ってランチをする場合、1人3千円の食事代が4ヶ月に1度支給されるものです。保活の相談やお出かけ先の情報交換などは、同じ境遇の人とするからこそ活きるということに着目し、交流できる場づくりを会社がサポートしています。また、四半期に1度発行する「ママ報」は、ママ社員の経験談や会社のトピックを主に掲載しています。編集やデザインをママ社員が担当しているため、「リアルに役立つ情報が詰まっている」と好評です。
いずれの施策も、社員や会社とのコミュニケーションを通して、育児中の孤独や疎外感を取り除いたり、復帰後のシミュレーションに役立ててもらうことを目的にしています。

culture5-4(世田谷区在住のママ社員による「おちか区ランチ」の様子。復帰した社員、産・育休中、妊娠中の社員が参加できる。人事より、同じ自治体に住む社員の照会を行う。)

■増加するママ社員に応え続ける
現在、当社には150人のママ社員が在籍しており、また毎年20人以上が産休を取得しています。既に、ママ社員は女性社員の2割強を占め、今後もこの比重は高まっていくことでしょう。そういった社内環境を踏まえつつ、今後も制度の見直しと拡充を図りながら、全社員が安心して長く活躍できる会社をつくっていければと思っています。

 

■ペットもメンバーの大切な家族!エウレカの『baniera for ペット』

『baniera for ペット』は、ペットに特化した社内制度として、2016年6月にスタート。①ペットの病院診察に伴う半休の取得(年3回まで)、②ペットが死亡した際の2日間の特別休暇、③やむを得ない事情によるペット連れ出勤の許可という3つから構成されています。本人が世帯主として生活を共にするペットが対象。なお、同社には、CDO(Chief Dog Officer)のジョブズ嬢が在籍しており、不定期に出社しています。

『baniera for ペット』は、どのような効果を生み出しているのでしょうか?株式会社エウレカ・取締役副社長 COO兼CFOの西川順さん(ジョブズさんの飼い主)に伺いました。

culture5-5

■ペットにも、家族同様の対応を
非婚、DINKs(共働きで子どもを作らない夫婦)、LGBTなど、生き方の多様性が広がるなか、社会もこれらを受け入れ、時代に即した環境整備を行う必要性を感じています。この視点を社内に向けると、当社には、ペットを家族の一員とするメンバーが一定数在籍しており、誰もが口々に「大切な存在」と話しています。しかしながら、ペットの体調不良を理由とした休暇や早退の取得は、人間の場合と比べ、「申告しづらい」「気が引ける」との声があることから、制度化により、気兼ねなく利用できるようにしました。
3つの制度は、単一での利用はもちろん、たとえば午前中に半休を取得して病院に行き、午後はそのままペットと一緒に出社するといった複合的な利用も想定しています。「家族」のケアと仕事の両立を実現することにより、当事者であるメンバーがより安心して働ける環境になると嬉しいです。

■制度をきっかけに議論を活性化
とはいえ、「baniera for ペット」は、大半のメンバーには関係しない制度です。しかしながら、このように一見特異な施策を制度として導入・運用することで、社内にさまざまな意見が生まれ、活発な議論へと発展していくきっかけとなることを期待しています。冒頭の話にも関連しますが、個々の価値観の違いを認識することが、ゆくゆくは多様性への寛容にも繋がるからです。今後も、一人ひとりに合わせた制度を整え、改善を繰り返すなかで、当社で働くあらゆるバックグラウンドを持ったメンバーが、いかなる環境においても活躍できる優秀な人材として成長を遂げられることを願っています。

■CDOジョブズは、社内の潤滑油
culture5-6
(社内巡回は、ジョブさんの主な仕事。新しいメンバーの席にも自ら足を運ぶ、気配り上手な面も。)

ちなみに当社には、CDOのジョブズがいます。コーギーの彼女は、人間が大好き。自分のことを人間と思っている節すらあります(笑)。
アメリカの大学の研究では、職場に犬がいると、社員のストレスが緩和され、コミュニケーションが円滑になり、生産性が向上するという結果も出ています。当社でもジョブズの存在が、社員同士の対話のきっかけや、こう着状態のミーティングのアイスブレイクになることも。ジョブズの出社を楽しみにしているメンバーも多く、一人ひとりに動物への理解と愛情が備わっていることから、今回の制度も好意的に受け止めてくれているようです。
今後、ペット関連の施策として、ペットデーの社内イベントを企画したいですね。ユニークな動物を飼育しているメンバーもいますので、社内交流の一環として、ぜひ実現したいと思っています。
※取材・執筆/香川妙美 『Grand Style』8号 2016年10月発行

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします