企画職は雑用!? グラニ・入倉流 プランナーの考え方

「好きなことを仕事にするな」

そんなふうに言う人もいますが、この業界にはゲーマーが数多くいます。純粋にゲームが好きで、その追求心が仕事に相乗効果をもたらします。

今回は、『神獄のヴァルハラゲート』運営のキーマン、グラニ・ディレクターの入倉さんにゲームの企画職という仕事についてお話を伺いました。

※この記事は、2014年9月発行『Grand Style』掲載コンテンツを編集したものです。

 

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株式会社グラニ  執行役員 コンテンツ制作部副本部長 兼 企画部  ディレクター 入倉孝大

1988年生まれ。工業高校卒業後、ゲームの専門学校に進む。 卒業後、BTD STUDIO株式会社でゲームプログラマーを務め、 その後、株式会社gloopsにプランナーとして入社。 2012年、同社を退社し、株式会社グラニに入社。

 

「僕は、企画職って雑用だと思っているんですよ」

意外な発言ですが、入倉さんはその理由をこう語ります。

「もちろん、新しいものを生み出すのが企画職の仕事です。ですが、言ってしまえば考えることなんて誰にでもできるんですよね。アイデアは誰もが持ってるじゃないですか。重要なのは、そのアイデアの整理や精査といった、面倒で作業的な対応をどれだけ効率よくスマートにやるか、そして、潤滑にコミュニケーションを取り的確な意思疎通が行えるか、ということだと思うんです。

僕は、プランナーは、ただ指示されて動くだけではなく、ディレクターの想いをどれだけ具現化するか、そのためにどれだけ具体的な行動を見つけ実践できるかが重要だと考えています。まぁ、企画職って目立つ仕事ではないということですね(笑)。

ちなみに、“雑用”という言葉をネガティブに捉える方もいるかもしれませんが 、言い換えると、細かいところまで気が利く、チームメンバーを潤滑に機能させる、それらを補える言葉だと考えています。

あとは、物事のメリットとデメリットをきちんと挙げることも大切にしています。良い面だけを見るのはすごく簡単ですが、デメリットを探そうとすると自ずと視野を広げて客観的に見るようになりますからね」

 

そもそも入倉さんは、ゲームとどのような関係で育ってきたのでしょうか。

「僕にとってゲームは小さい頃からとても身近なものでした。父がゲーム好きで、『ドラクエ』などの家庭用ゲームをプレイするのを見て、僕もゲームをするようになりました。その頃から、ゲームをつくる側にまわりたいという気持ちを持っていましたね。そのために、ゲームがどのようにつくられているのか、どんな工程を重ね、どんな技術力が必要なのか、それらをまず理解しようと、最初はプログラマーの道へ進みました。いずれは企画職に就きたいと考えていたので、好機を掴んで今のディレクターという仕事に就いています」

 

次々と新しいゲームがリリースされるなか、ヒットするものとそうでないものの違いとはなんでしょうか。

「本質的に面白いゲームは世の中にいっぱいあると思いますが、面白くなるポイントまでプレイしてもらえなければ、結局流行らないんですよね。アツくなれるポイントを序盤で用意したりなど、『もう少し試してみようかな』と思えるような、ちょっとした見せ方ができるかどうかの違いだと思っています。

また、オンラインゲームでは、ゲーム自体の面白さに加えて、人とのコミュニケーション(=会話)が”ハマる”ポイントだと思っています。僕自身も経験がありますが、オンラインの仲間と仲良くなっていくと、チャットなどの会話が自然とゲームから離れて、プライベートな内容に変わっていくんですよね。『今日こんなことがあってね』、というような。ですので、運営は会話をつくるきっかけを自然に提供することが大事だと思っています。季節ものや時事ネタ、流行もの、懐かしいもの…ゲーム内にいろいろな会話のネタを散りばめるんです。ゲームを通して仲間ができて、他愛もない会話をして楽しむ…そういうゲームをつくっていきたいですね。」

 

入倉さんが次に目指すものとは?

「『このゲーム俺がつくったんだよ』と言うと、誰にでもそのゲームが通じるような、大ヒット作を作りたいと思っています。ゲームクリエイターは、つくることがゴールじゃなく、プレイしてもらい、楽しんでもらうことがゴールですからね」

 

※取材・執筆/坪井安奈 『Grand Style』2号  2014年9月発行

 

 

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