経営者の朝時間①〜FiNC CEO・溝口さんの場合

朝を征するものは1日を征すー

ナイキCEOのマーク・パーカーは朝5時に起床してランニングし、Twitter創業者のジャック・ドーシーは朝5時半に起床して瞑想をするのだとか。世界の名だたる経営者は、朝を征する者だらけ。

では、IT企業の経営者の方々は朝をどのように過ごしているのでしょうか?
経営者の朝時間・第1回目は、株式会社FiNC CEO ・溝口勇児さんにお話を伺いました。

 

※この記事は、2016年4月発行『Grand Style』の記事を一部編集したものです。

 

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株式会社FiNC代表取締役社長 CEO 溝口勇児(みぞぐち・ゆうじ)
1984年生まれ。高校在学中からトレーナーとして活躍。数百人を超えるトップアスリートや著名人のカラダ作りに携わる他、新規事業の立ち上げや業績不振企業の再建を多数担う。’12年、(株)FiNC設立。一般社団法人アンチエイジング学会理事に就任。

 

 

週の半分は朝食ミーティングを設定

―普段、平日の朝は何時に起きて、どのように過ごされますか?

いつも7時~7時半くらいに起きますね。朝は必ず、お風呂に入ります。もともと朝には強くないのですが、起きる時間になったらお風呂が沸くようにタイマーをセットしておいて、自然と起きられるように工夫をしています。
湯船に浸かりながら、スマホでニュースサイトを見て情報収集をしたり、予定を確認して1日の過ごし方をイメージしたりします。お風呂の後は、体が温まって柔軟性が高まっているので、軽くストレッチ。ストレッチは仕事中のちょっとした時間にもやりますね。長時間のパソコン作業は、大胸筋が拘縮したり、頸椎へ負荷がかかって好ましくないので、意識的に肩甲骨を動かすようにしています。

 

―ウェルネス事業をされているだけに健康的ですね。お風呂に入って、ストレッチをして、それから出社ですか?

そのあとは、朝食ミーティングがあることが多いです。週3、4日は入れていますね。昼や夜はほとんど予定が埋まってしまっているので、最近は朝食時にも人と会っています。夜の会食だと2、3時間必要ですが、朝は1時間くらいで終わるので効率は良いと感じますね。そのあと、ミーティングに合わせて出社します。だいたい9時出社が多いですかね。

 

時間の捻出が会社の成長に直結する

―そういった朝の時間の使い方はいつからされているんですか?

起業してから圧倒的に変わりました。ベンチャーですし、変化のスピードが早いので、24時間を本当に効率良く使わないと絶対に足りないですし、対応できない。そのために、朝時間を有効に使うようになりました。
また、朝に限らず、起業してからはより効率的に、より生産的にという意識が強くなりましたね。僕は、社外だけでなく社内の各事業部の部門長とのミーティングもしょっちゅうあるのですが、僕を含めた経営陣の時間を効率的に使えば物事が早く進んで、会社の最大化に繋がるので、1分1秒でも時間を捻出するよう心がけています。

 

■ミーティングは15分単位が基本

―社員の方に、時間の使い方で言われていることはありますか?

ミーティングの時間は1時間を前提にせず、15分単位で考えるように言っています。1日の活動時間を12時間と考えた時に、1時間を1枠と考えると12枠しかないですが、15分と考えると48枠ある。社内でミーティングをする時は、滅多なことじゃない限り1時間も取らないです。15~30分で終わるように、社員には事前にトピックの洗い出しや資料作成をしておくよう伝えています。資料作成に割く時間は無駄だというのが一般的な考え方かもしれませんが、資料をはじめ、情報を事前に精査することで意思決定の質が高まるのであれば、また1分1秒でも経営陣や経営幹部の時間を短縮できるのなら、社員にはそのための準備には時間を費やしてもらうようにしています。

 

―質の高いミーティングを短時間でされているんですね。

そうですね。ただ、単に時間を削ればいいと思っているわけではありません。時間はよく、質なのか量なのか、といった二元論で語られますよね。たとえば、残業をしないでもっと質を上げようという議論もあれば、質は量でしか担保できないという議論もある。ですが、答えは1つしかなくて、できる人は質も量も双方が高い。僕は長年トレーナーとしてプロアスリートなどをはじめ、数多くの選手を指導してきましたが、優秀な選手ほど練習量は多く、しかもその練習の質を上げるためにものすごく工夫をしているんです。
質の高い仕事をこなせるように、自分に足りないものを分析し、それを補うために時間を使わなければいけない場合も当然出てくると思います。努力は、人が休んでいる時にするもの。人が休んでいる時に、いかに高い質で、多くの量をやるのか。それを継続し続けた人が、最後、とてつもない成長を遂げることができるのだと僕は思いますね。

 

ストレスの8割は致し方ないこと

―夜や休日はどのように過ごされていますか?

夜は、会食や社内ミーティングで埋まっていますね。寝る時間は日によりますが、睡眠は3の倍数になる時間が良いので3時間、4.5時間、6時間のように調整しています。
休日も、いつもと同じくらいの時間に起きますし、過ごし方は変わりません。起きる時間がずれてしまうと、人間は時差を感じてコンディションが落ちてしまうので、休日も7時~7時半くらいには起きています。休日は、ひたすらインプットの時間に充てていますね。スマホでニュースサイトを読んだり、タブレットで本を読んだり。

 

―それだけアクティブで、ストレスは溜まりませんか?

ストレスがない状態というのはあり得ないと思うのですが、ただ向き合い方が大事かなと思います。致し方ないという認識を、どれだけできるかだと思うんです。実際、自分のストレスの根本原因を考察してみると、だいたい8割ぐらいは改善のしようがないものだったりします。致し方ない事象に、必要以上に悩んでも損ですよね。

 

―ご自身の健康面で、心掛けていることはありますか?

まず、食事にはすごく気をつけています。五大栄養素をバランスよく摂れるように、朝食ミーティングの店も、サラダがきちんとしていて、五穀米や玄米がある店などでセッティングしています。あと、サプリメントは毎日飲みます。ビタミン、ミネラル、DHA、EPAなど、1日10粒くらい飲みますね。
運動面では、移動は極力自転車を使うようにしています。コンパクトに折りたためる自転車なので、たとえば2回電車を乗り換えないと行けない場所には、1本で行けるところまで自転車で行って、そこから電車に乗るなどしています。

 

個人に合った方法を続けられる形で

―今後、FiNCとしてやり遂げたいことはどんなことですか?

当社は、運動・栄養・睡眠の側面から人々の健康をサポートするリーディングカンパニーになりたいと思っています。そのために解決したいことが大きく3つあるのですが、まずは、不健康な期間の短縮。日本人は平均で約11年、人の支えがないと生きられない期間、つまり寝たきりなどの不健康な期間があると言われています。それを少しでも短縮させること。2つ目は、体型など、人々のコンプレックスを少しでも解きほぐすこと。そして3つ目が、腰痛・膝痛・偏頭痛など、不定愁訴と呼ばれる不調を解決すること。この3つを解決することがFiNCの使命だと思っています。
ただ、運動や栄養や睡眠が大切なのはわかっていながらも、できないというのが現実ですよね。できない理由には、自分にあった方法がわからないというのと、続けられないという2点があると思います。FiNCでは、一人ひとりに最適な方法を、続けられる形で提案し、一人でも多くの方を救えたらいいなと思っています。

 

目の前の小さな選択が人生を決める

―新年度の始まりを機に、生活面や自分自身を変えたいと思っている人も多いと思いますが、そんな方々にアドバイスをお願いします。

生活面においても、人生においても、自分が目指すゴールに辿り着くためには、目の前の小さな選択を賢くすることが大事だと思います。たとえば、自動販売機で何を買うのか、コンビニに行って何を手に取るのか、定食屋に行って何を食べるのか、会食に行った時にどんなお酒を頼むのか…どんな些細な行動も、全て自分が決めていることです。そして、それらひとつひとつの選択の積み重ねが人生を作っています。二手の分かれ道があった時に、それを20回選択すると100万通り以上の未来があります。つまり、目の前の選択をたった少し賢くするだけで、人生は変わっていくんです。自分のゴールから逆算して、100万通りの選択をゴールに近づけるように意思決定し続ければ、目標達成できる確率は確実に上がります。
morning_1僕は、成功ってたいして難しいことだとは思っていなくて。難しいのは、己に勝つことなんです。僕自身も、目の前のひとつひとつの決断を、意志を持って選択していきたいですし、皆さんにもゴールに近づく目の前の二者択一を頑張ってほしいと思いますね。

 

※取材・執筆/坪井安奈 『Grand Style』6号  2016年4月発行

 

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